近世のシマ格子
着るものと社会
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近世のシマ格子 基本情報
商品コード | 9784879406101 |
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著者 | 広岩邦彦 |
出版社 | 紫紅社 |
税込価格 | 3,300円 |
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『近世のシマ格子』について
おしゃれな「縞」には嫌われた過去があった
古来「シマ」は染織の柄として存在し、江戸時代後期には着物の粋な柄「縞」として人気を得て現代まで親しまれている。その起源を室町時代の謎から解き明かし、近世の社会、世相、思考様式を通して「縞」の変遷を探る。これまでデザイン、モードの視点から多く語られてきた「縞」を人文学的な視点で考察した特異な一冊である。
※シマの漢字は徳川時代の慣用語では「嶋」であったので、本書内は「嶋」で統一している。
「はじめに」(広岩邦彦) より
徳川時代に日本人の着るものの変革が起きた。その時代の初めと終わりでは、衣類の様相が一変していた。それを引き継いだのが近代の和装である。
初めほとんど輸入に依存した高級絹織物の生糸は、18世紀に国内自給に漕ぎつけ、間もなく品質も中国白糸と並んだ。徳川将軍は八丈島の租税の紬をもとに、17世紀半ばに格子柄の八丈織を創出し、やがて世のトレンドとなる。
- I. 前史 線の文様がなぜ嶋か
- 室町殿中の鼻つまみ
- 嶋織物の絵を探す
- II. 徳川の黒 将軍のシマ
- 武家は黒々と
- 家光、華美から節倹
- 熨斗目小袖の儀礼
- 将軍の八丈織とその裾野
- III. 元禄・享保のシマの見方
- もてる男の郡内嶋羽織
- 嶋と言えば何を思う?
- 村々へ木綿と碁盤嶋
- 大きな木綿碁盤嶋の世
- タテ嶋を着るのはだれか
- 江戸奉公人と店主の木綿
- 享保改革と着物の京桟留嶋
- IV. シマ柄が開花した田沼時代
- 春信の浮世絵のタテ嶋
- 白木屋お駒の黄八丈
- 通り者の黒と八丈仕立
- 隠居大名の郡内嶋と縮緬
- 江戸へ向かう桐生織物
- 関東生絹という大型商品
- 三都の木綿嶋に外来柄
- 江戸近郊農村の木綿嶋
- 江戸の麻のアップダウン
- 絣はどこから? 越後の藍錆
- タテ絣・タテ嶋のモード
- 「嶋」の変化と「縞」の字
- 田沼政治と衣類の変革
- V. 寛政改革から地味なシマへ
- 定信登場 衣服の逆戻り
- 改革が促した桟留嶋
- 結城紬の嶋の流行
- 深川の南部嶋と下々の絹
- 将軍家斉が着た嶋柄
- 天保改革と嶋柄の微細化
- 川越唐桟とは何か
- 名主庄屋の嶋柄と絹
- みんなの木綿嶋
- 嶋は「いき」であったか
- 嶋を着ることの意味
広岩邦彦 (ひろいわ くにひこ)
1937年生まれ。都立西高、東京大学法学部政治コース卒。61年、朝日新聞記者。浦和支局長、整理 (紙面編集) 部長、北海道支社長などを経て 97年定年退職。同年、(株)朝日川崎プリンテッ ク社長。03年退任。服飾美学会会員
装丁 | A5判 |
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ページ数 | 432ページ |
ISBN-13 | 9784879406101 |