ブータンの染織
バーソロミュー・コレクション

紹介文より

アルプスの二倍もあろうかという高い山々に囲まれた、ヒマラヤの王国−ブータン。そこで「染織」は長い間文化の中心的役割を果たしてきた。国民自ら「雷龍の国」(ドゥルック・ユル) とよぶこの国は、世界で最も孤立し、またその歴史を今に伝える、私たちにとっては未知なる国である。何世紀にもわたる鎖国の間、「雷龍人」(ドゥルックパ) たちはしっかりと自国を守り、他国の侵入を一度も許さなかった。……

72枚のカラー図版で綴る『ブータンの染織』は、たいへんめずらしい古い遺品から、現代に至るまでの数々の染織品を紹介する初めての本格的著書である。染織品だけでなく、職人たちの仕事風景、人々の発想の源である風景写真等を併せて掲載し、理解の一助となることを図った。著者の十年に及ぶ収集と研究をもって、ここに初めてユニークな文化と、その素晴らしい担い手たちの手になる最高の染織芸術を垣間みる、またとない機会が訪れたといえるだろう。