日本の伝統色 ミニ知識
「紫」
紫という色は、古代より、洋の東西を問わず高貴な色とされてきました。中国・前漢の武帝(在位BC141~BC87)は紫を好み、天帝の色として「
高貴な色であるとともに、妖艶でもある紫。その魅力はミステリアスです。
紫の色名
紫の色名には、「深紫(こきむらさき)」「帝王紫(ていおうむらさき)」「紫鈍(むらさきにび)」「江戸紫(えどむらさき)」「藤(ふじ)」「滅紫(けしむらさき)」「二藍(ふたあい)」「杜若(かきつばた)」「似紫(にせむらさき)」「葡萄(えび)」「茄子紺(なすこん)」「脂燭(しそく)」などがあります。
紫系の色の染料
代表的な染料として、紫草があります。紫草はムラサキ科の多年草で、6月ころに可憐な白い花をつけます。しかし紫の色素はその根にあるのです。その根をよく乾燥させて石臼で搗いて砕き、湯の中でよくもみこんで色素を抽出します。いまでは生産量が少なくなり、たいへん貴重な植物、色となっています。
また、二藍という紫の色は、蓼藍で青く染め、それに紅花の赤をかけて紫色にします。かつて藍という言葉は染料を総称する名でした。そして5世紀ころ紅花が
染司よしおか当主・染織史家 吉岡幸雄
お知らせ
ドキュメンタリー映画『紫』
日本古来の鮮やかな色文化を再現することに挑戦し続けている「染司よしおか」吉岡幸雄・福田伝士の情熱を追った、川瀬美香監督のドキュメンタリー映画「紫」。国内外の多くの人のリクエストに応えて、ついにブルーレイ&DVD化されました。
お知らせ
2019.4.5 〜 2019.5.19
ロンドン の Japan House
にて開催された染司よしおか植物染展示
Living Colours: Kasane
かさねの森 染司よしおか
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